【アニメから読む心理学3】PSYCHO-PASSサイコパスよりサイコパスとストレス

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オタクとは呼べないアニメ大好き心理師ピュシカです。

2023年に劇場版が上映されましたが、伏線回収されていないものがまだまだありますよね。第4期は無いともささやかれておりますが、個人的には次が観たい!待っております♪

さてサイコパスといえば、精神病質者(psychopath)のことと思うかもしれませんが、このサイコパスは、精神病質者のことではなくPSYCHO-PASSです。人の心理状態を数値化し判定。ストレスから解放された人々の国をつくるために導入したという設定で、その数値は犯罪係数と呼ばれ、たとえ罪を犯してない人も規定値を超えれば潜在犯として、捕えられるというお話。本作では捕える側の視点、つまり警察側が主役です。

PSYCHO-PASSとは

psycho(サイコ)とは、魂、精神という意味。語源は古代ギリシャ語のpsyche(サイケ、プシュケ)に由来。PASSはパスポートのパスですね。通過という意味です。

要するに人の魂、精神のストレス、犯罪係数が高くなっていないかを計測し、通過できるかどうかということです。

ちなみに心理学はpsychology(サイコロジ-)といいます。語源は同じくpsyche(サイケ、プシュケ)古代ギリシャ語ではもともと息や呼吸という意味だったようですが、いのち、生命という意味になり、心や魂を意味するようになったといわれています。

アニメサイコパスを観て思うことは、潜在犯、まだ罪を犯してないひとを、罪を犯しそうだからその前に収容して心の色相をクリアにする施設に送る。もし現実がそうならこれはとても怖いことだと思いました。常にストレスなくクリアを保たないといけませんから、問題に合わないように逃げるということが起きる可能性がありますし、問題を抱えている人の近くには行けませんね。実際アニメの中でも色相が濁るといって避けていました。問題は回避したくなります。

ただ、、、程度はもちろん全く違いますが、実際には現実にも同じような考え方はあります。

潜在犯という考え方

潜在犯は、まだ罪を犯していないが、「この先に犯しそうだ」という考え方です。これは、よくよく考えてみると、熱心な親が子どもに対しては考えがち、やりがちな行動です。この子はこのままだと〇〇しそうだから、先回りしてやめさせる、先回りして言う。実際はやっていないけど、やるだろうし、いつもそうだから。今までもそうだったから。という理由で行動を止めることがあります。言われたほうは、まだ何もしていないのに、、、と思うことでしょう。

もちろんこれが正しい、間違えという話ではないのが前提です。

ここでは、あくまでも正しい間違えの話しを論ずることではなく、”現実にも同じ考え方がある”ということだけです。

私の長男が中学生のとき、体育祭のクラス応援の旗を作ることになり、美術が好きだった長男はその係になりたい、旗を作りたいといいましたが、ADHDグレ-だったので、その時の担任の先生に断られてしましました。先生からは電話があり、画材はアクリル絵の具なのか、油性かは忘れましたが、こぼす可能性があるので係にはしませんでした。というお話しでした。

このように、まだ起きていない未来を危惧し、止めてしまうことはよくあります。

もちろん、それは大事に至らないようにするためですが、本人や私はまだ起きてもいないことを言われても、、、という感じでした。

実際その係をしたとして長男が絵具をこぼすかどうかは、やってみていないので正しかったのか間違えだったのかはわかりません。

そしてこのような考え方は、家庭や教育現場のみならず、医療福祉現場にもあります。

それは、ハインリッヒの法則といいます。

ハインリッヒの法則

アメリカの損害保険会社で技術・調査部の副部長であったH.Wハインリッヒが1929年11月19日に出版された論文では、330件の災害のうち、300件は無傷で、29件は軽い傷害を伴い、1件は報告を要する重い傷害を伴っていることが判明した。

つまり、1つの重大事故の背景には、29件の軽い事故と、300件の異常事態が存在するというもの。

いまでは、この研究発表をもとに、医療福祉現場などでは、ヒヤリ・ハットという異常事態を報告することになっており、厚生労働省の”職場のあんぜんサイト”にも安全衛生キーワードとして、ハインリッヒの法則が掲載されている(2024年5月現在)。

医療福祉現場などの重大な事故が起きてはいけないところでの、ハインリッヒの法則はとても重要な考え方です。

それが個人に当てはめられるのかは、その時の状況と個人による価値観に委ねられることになるのでしょう。

psychopathとは

さて最近では、サイコパスを題材にした映画やドラマも多くなり、サイコパスという言葉が浸透していますが、サイコパスというのは俗語です。

医学用語では、反社会性パーソナリティ症(DSM5-TRより)といい、他者への共感能力が欠けている、規範や法律を無視する傾向がある。魅力的にみえる。自己中心的である。

生まれつきの脳の特性によるものをサイコパスといい、後天的つまり生い立ち、環境などにより同じような特性を持つ場合は、ソシオパス(社会病質者)と分けて呼ばれることが主流になってきている。

ただし、反社会性パーソナリティ症だからといって、そのすべての人が犯罪をするわけではない。そして反社会性パーソナリティ症(サイコパス含む)そのものは医療の対象ではありません。

ストレスチェック

アニメの中のシビュラシステムではありませんが、ストレスチェック制度というものがあります。2024年5月現在は、50人以上の会社は義務、その他は努力義務となっていて、知っている人も多いと思います。もちろんストレスチェックをして高ストレス者になったからといって、アニメのようになるのではなく、自覚をして対策を考え、状況が悪化しないようにして未然に防ぐためのものです。(ん?あら?同じに聞こえるかな?)

50人以下の企業では、まだまだ実施している会社は少ないのですが、ご自身のストレスで気になることがあるのであれば、やってみるのはお薦めです。悪化する前に対策を考えられます。

実際、自覚なく高ストレスで悪化し、最終的に悲しい結末を迎える選択をしているひとは現在もいます。また自覚はあってもどうすることもできない。自分が我慢すればよいと考えるかもしれません。ひとりで考え込むと狭い範囲でしか考えられないのは事実です。三人寄れば文殊の知恵という言葉にもありますように、人に話すと自分の考えとは違う考えも見つかります。ストレスに関するご相談はいつでもどうぞ。

WC?

引用:アニメPSYCHO-PASS2、職場のあんぜんサイト(厚生労働省)

参考:アニメPSYCHO-PASS, DSM-5-TR精神疾患の分類と診断の手引(日本精神神経学会)、精神診療プラチナマニュアル第3版(松崎朝樹著)、職場のあんぜんサイト(厚生労働省)より

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