「自分を責めている!」と思ったら最初にやるべきこと

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自分を責めるクセ、もしかしたら心のクセかもしれません。失敗したとき、誰かを傷つけてしまったかもと感じたとき、「私が悪いんだ」と自分を責めてしまうことはありませんか?

実はこの“自責グセ”には、心のクセ=認知のゆがみが関係しています。そして、それが当たり前の思考パターンになってしまっていると、ほんの小さなことでも、自分を強く責めてしまいやすくなります。

でも大丈夫。そのクセに気づき、少しずつ手放していくことができれば、自分を責め続けずに、自分らしく生きることもできるようになります。

この記事では、「なぜ責めてしまうのか?」という心理的なしくみ、 自分を責めたくなったときの3つの対処法を、心理学の視点からお伝えしていきます。

「認知のゆがみ」って何?

ここでは簡単に、自責してしまうことと関連する「認知のゆがみ」についてお伝えします。

私たちは出来事をそのまま受け取るのではなく、頭の中のフィルターを通して解釈しています。このフィルターが偏っていると、現実をネガティブにとらえてしまいがち。これが「認知のゆがみ(認知の歪み)」と呼ばれるものです。

自責グセがある人に多いゆがみには、たとえばこんなものがあります

全か無か思考:「完璧にできなかった=失敗だ」

過度の一般化:「1回のミス=私はいつもダメ」

心の読みすぎ:「あの人が黙った=私のせいだと思ってるに違いない」

これらの思考パターンに気づくことが、自分を責める苦しさから抜け出す第一歩です。

自己批判と自己反省

ここで大切なのは、「自己批判」と「自己反省」は違うということです。

自己批判:自分の人格や存在を否定する(例:「私はダメな人間だ」)

自己反省:行動や結果について振り返り、改善点を探す(例:「今度は確認を増やそう」)

自己批判は自信を削り、やる気や行動力を奪ってしまいます。一方、自己反省は「次はこうしよう」と前向きなエネルギーになります。

自分を責めていると感じたとき、こう問いかけてみてください「私は“自分”を責めているのか、それとも“行動”を振り返っているのか?」この違いに気づくだけでも、心の持ち方が変わってきます。

心が軽くなる3つの対処法

自責グセのループを和らげるための、心理学にもとづいた具体的な対処法を3つご紹介します。

1.「ストップ!」の習慣

無意識に責め思考に入ったとき、心の中で「ストップ!」と声をかけてみましょう。その瞬間、思考にブレーキをかけるイメージです。

深呼吸をしたり、席を立って場所を変えたり、コーヒーを飲んだりするのもOK。脳が「責めループ」にハマる前に、物理的・心理的に中断を入れることが大切です。

2. 事実と感情を分ける

起きた出来事を「事実」と「感情」に分けて書き出してみましょう。

例)事実:メールの返信を忘れた感情:申し訳なさ・不安・自分はダメだという思い感情は自然な反応です。

でも「私は無能だ」というのは事実ではなく思考の解釈です。この区別をすることで、冷静に見つめ直す力が養われます。

3. やさしいセルフトークを使う

親しい友人が落ち込んでいたら、どう声をかけますか?「大丈夫だよ」「誰にでもあることだよ」――そう励ますはずです。

それを自分自身にも言ってあげてください。「○○ちゃん、大丈夫だよ」と、自分の名前を呼んでみるのも効果的です。

これは、セルフ・コンパッション(自分への思いやり)の実践でもあります。

心理学の視点:セルフ・コンパッションとは?

【心理学の視点】セルフ・コンパッションとは?

セルフ・コンパッション(self-compassion)とは、“自分に対して思いやりを持つ”心理学的な考え方で、近年、うつや不安、自己否定への効果が注目されています。

以下の3つが柱です

1. 自分への優しさ(Self-kindness) 

失敗した自分にも「まあ、そんなこともあるよね」と声をかけること。

2. 共通の人間性(Common humanity) 

「誰でも失敗する。私だけじゃない」と気づくこと。

3. マインドフルネス(Mindfulness) 

感情を否定せず、今の自分に気づくこと。責める自分を「ダメ」と否定するのではなく、「責めてる自分がいるんだな」とそっと寄り添う視点を持つことが、心の回復につながります。

🌱 おわりに

失敗しても、あなたの価値は変わらない。私たちは、ときに「完璧でなければ価値がない」と思ってしまいがちです。

でも、心理学的に見ても、人の価値は失敗や評価では決まりません。ミスは誰にでもあります。大切なのは、そこからどう向き合い、立ち上がっていくかです。

最後に、私がときどき自分に言い聞かせている言葉を、あなたにも贈ります。 「失敗しても、間違えても、そのままの私でいていい。 それでも私は、大切な存在。」この言葉が、あなたの心を少しでもあたたかくしてくれたら嬉しいです。

そしてもし、「どうしても責める気持ちが止まらない」ときは、ひとりで抱えこまずに、信頼できる誰かに吐き出してみてください。言葉にするだけで、心がふっと軽くなることもあります。あなたは、助けを求めていい存在です。

あなたが「自分を責めてしまうな」と思うのは、どんなときですか?ぜひコメント欄で教えてください。気持ちを言葉にすることで、新たな気づきがあることもありますよ。

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