ぐるぐると同じことを何度も考えてしまうこと、ありませんか?
例えば、「あの時、もっとこうしておけばよかった」と後悔したり、「明日の仕事、ちゃんとできるかな」と不安になったり。
そんな夜は、なかなか眠れずストレスが増してしまうものです。
この記事では、日常生活で使える心理学のテクニック「グラウンディング」を活用して、不安やぐるぐる思考をストップさせる方法をご紹介します。

グラウンディングとは?
グラウンディングは簡単に言えば、「心を今この瞬間に戻す方法」です。不安やストレスで心が過去や未来をさまよってしまう状態を「思考の暴走」と呼びます。「思考の暴走」がおきている時は、何も手につかなく辛いですね。これを止めて冷静さを取り戻すテクニックです。
どんなときに役立つの?
以下のような経験はありませんか?
大事な会議前に緊張しすぎて頭が真っ白になった。
心配事が頭から離れず、夜眠れない。
人前でのスピーチ中、周りの目が気になりすぎて本来の自分が出せなかった。
こうした状況でグラウンディングを使うと、心を安定させ、物事に冷静に向き合うことができるようになります。
不安が続くとどうなる?
不安が続くとどうなる?
長期間の不安やストレスは、心身に悪影響を及ぼします。
具体的には集中力の低下慢性的な疲労感胃痛や頭痛などの体調不良こうした状態を防ぐためにも、グラウンディングは日常生活に取り入れやすいセルフケア法として非常に有効です。

基本のテクニック:5-4-3-2-1法
グラウンディングの代表的な方法である「5-4-3-2-1法」をご紹介します。このシンプルなステップを覚えれば、どんな場面でもすぐに実践できますよ。
1. 視覚
見えるものを5つ探す周りを見渡して、目に入るものを5つ挙げましょう。
例:壁の時計、机の上のペン、窓の外の木々、本棚の本、天井のライト
2. 触覚
触れるものを4つ感じる手に触れて、感触を感じ取ります。
例:机の硬さ、椅子の座り心地、洋服の布地の感触、冷たいペットボトル
3. 聴覚
聞こえる音を3つ挙げる耳を澄ませて、周囲の音に意識を向けます。
例:エアコンの音、外の車の音、自分の呼吸音
4. 嗅覚
匂いを2つ感じる匂いに注意を向けます。
例:コーヒーの香り、風の匂い
5.味覚
味を1つ感じる味に意識を向けましょう。
例:お茶を一口飲む、ガムを噛む

応用テクニック
基本のグラウンディングに加えて、次の方法を組み合わせることで、さらに効果を高めることができます。
1. 深呼吸と組み合わせる
「4-4-8呼吸法」を取り入れると、リラックス効果が倍増します。
やり方:4秒かけて吸い、4秒止めて、8秒かけて吐く
2. 自然の中で実践する
自然の中でグラウンディングを行うと、さらに効果が高まります。
例:芝生の上を裸足で歩く、風の音や木々の香りに意識を向ける
3. 感情を言葉にする
「今、自分は何を感じているのか?」と問いかけてみましょう。
感情を認識するだけで、気持ちが整理されやすくなります。

グラウンディングが効果的な理由
グラウンディングが効果的なのは、「五感」を活用することで、思考の暴走を物理的に止めるからです。五感を使うことで脳の別の部分が刺激され、不安や緊張を和らげる効果があります。
日常での活用例
仕事中のストレス軽減
締め切りに追われているときや、上司からのプレッシャーを感じるときに試してみましょう。
緊張する場面でのリラックス
プレゼンやスピーチの前にグラウンディングを行うことで、本来の自分の力を発揮しやすくなります。
夜、不安で眠れないとき
ベッドの中で試すと、心が静まり、眠りに入りやすくなります。

最後に
グラウンディングは、特別な道具や場所がなくてもできる、手軽で効果的なセルフケア方法です。
しかし、不安やぐるぐるが深刻な場合は、セルフケアだけでは改善が難しい場合もあります。そういうときは、信頼できる人に話を聞いてもらうことも大切です。
話すことで感情が整理され、新しい視点に気づくことができます。心理学の研究でも、話すことの効果は実証されています。無理なく心のメンテナンスしてみてください。実践してみた感想などをコメント欄でぜひお聞かせくださいね。
参考•引用『身体にきく 自分にかえる』(原題:Bioenergetics)訳者: 白根伊登恵出版社: 誠信書房
『身体の声を聴く―バイオエナジェティックスによる自己発見』(原題: The Language of the Body)訳者: 宮内美沙子出版社: 誠信書房
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