感情の暴走は止められる?自分らしい行動を取り戻す方法

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突然イライラして怒りが爆発したり、理由もなく涙が止まらなくなったり…。

感情の暴走に振り回されてしまい、あとから深く後悔した経験はありませんか?

私自身も、かつては同じように感情の波にのみ込まれ、

「どうして急に涙が出るんだろう」

「なんかイライラする!」

と戸惑っていたことがあります。

しかし今では、「感情を感じながらも、自分の行動は自分で選べる」 という状態を作れるようになりました。

本記事では、公認心理師としての知識と経験から、

感情の暴走を減らし、自分らしい行動を増やす具体的な方法をお伝えします。

感情コントロールの誤解

多くの人が「感情のコントロール=感情を抑えること」と考えがちです。

しかし実際には、抑え込むほど心の中で感情が膨らみ、逆に暴走しやすくなる ことがわかっています。

つまり、

「抑えよう → 抑えられない → もっと苦しい」

という悪循環に陥ってしまうのです。

では、感情に振り回されないためにはどうすればよいのでしょうか?

感情は「心からの大切なサイン」

イライラや悲しみ、怒りは、あなたを苦しめる「悪」ではありません。

それらはすべて、心が発しているSOSのメッセージ です。

イライラ→自分の大切なものを守りたいサイン

悲しみ→大切なものを失ったときの深い痛み

怒り→強い不安や悲しみからの悲鳴

ケガをしたとき、傷をよく観察してから手当てをしますよね。

心の感情も同じで、まず「どんな感情があるのか」を理解することが、暴走を抑える第一歩になります。

感情を落ち着ける言葉のスイッチ

人間の脳には「感情を言葉にすると落ち着きやすい」という性質があります。

たとえば、

「今、自分はイライラしている」

「悲しみで胸が苦しい」

「不安でどうしていいかわからない」

とラベルを貼るように言葉にするだけで、脳は感情を客観的に処理し始め、自然と感情の熱が下がっていきます。

これは脳科学の研究でも裏づけられている方法です。

感情を言葉にしやすくする3つのコツ

「言葉にしようと思っても、頭が真っ白になって言えない」

そんなときに助けになる3つの工夫をご紹介します。

① 事実と感情を分ける

例:「友達に約束を忘れられた(事実)、悲しかった(感情)」

→ これだけで頭の中が整理され、落ち着きやすくなります。

② 感情を数値化する

例:「今の怒りは10点中8くらい」

→ 数字を扱うことで脳は冷静な分析モードに入り、自然と落ち着きやすくなります。

③ 短くシンプルに言う

例:「ムカつく」「悲しい」「不安」

→ 長々と説明しようとせず、一言で吐き出すことが効果的です。

感情が爆発しそうな瞬間の「3秒レスキュー法」

実際には、言語化する余裕すらないときもありますよね。

そんなときに使える、即効性のある方法をご紹介します。

深呼吸を一回する

一瞬だけ目を閉じる

手を握ってゆっくり開く

これらはわずか3秒ほどででき、衝動的な行動を抑える助けになります。

感情に強くなるための日常ルーティン

「応急処置」だけでは十分ではありません。

大切なのは、日常から「落ち着ける自分の土台」を整えることです。

① 安全基地を持つ

落ち着ける場所・物・感覚・言葉をあらかじめ用意しておきます。

例:静かなカフェ、温かいマグカップ、好きな音楽、「私は選べる」という言葉 など。

② イメージトレーニング

落ち着いている時に、感情が動く場面を想像して、落ち着いて対応する練習をしておきます。

おわりに

感情の暴走を防ぐためのポイントは3つです。

1. 感情は心からの大切なサイン

 悪ではなく、あなたを守ろうとするSOSです。

2. 言葉にして整理する

 「今、自分は〇〇と感じている」とラベルを貼るだけで落ち着きやすくなります。

3. 瞬間の対処+日常の工夫を持つ

 深呼吸などの即効法に加え、安全基地やイメージトレーニングを習慣にすることで、感情に振り回されにくくなります。

感情を無理に抑えるのではなく、「感じながらも行動は選べる」状態をつくること。

それが、感情に振り回されず、自分らしく生きるための大切なステップです。

そして、覚えておきたいのは、感情は弱さの証ではなく、「生きている証」だということ。

涙も怒りも、すべては「大切なものがある」ことを教えてくれるサインです。

もし苦しいときには、信頼できる人に話すことが支えになる場合もあります。

誰かに言葉を届けることで、心がふっと軽くなる瞬間が訪れるかもしれません。

感情は悪ではありません。

その存在を認めることから、自分らしい日々が始まっていきます。

よければ一緒に感情と上手に向き合う一歩を踏み出してみましょう。

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