こんにちは、ピュシカです。
先日こんな場面に出くわしました。
コンビニでお弁当を選んでいたら、レジに人がいなく、店員さんは品出しをしていました。そこへレジにお客さんがきて、店員さんはレジの前に行きましたが、お客さんは激怒したのです。
「こんなだからお前はダメなんだ!」
そこで、店員さんは「すみません」と言いました。
するとお客さんは、
「そういう態度を取るのか?」
といい、更に激怒。会計を済ませて帰り際に自動ドアを蹴っていきました。
こういう場面をみると、”怖い”と思うのと同時に”不思議”とも思いませんか。
「なぜ、こんなにも怒っているのだろう」と…。でも、このお客さんの中では、きっと不思議なことではないのでしょう。何かが引き金になって、強い怒りが湧いてきたのかもしれません。
ここまでくると、いわゆるカスタマーハラスメントではないかと思うほどです。
あとから自分のしたことに後悔する人もいるでしょう。
もしかすると、その怒りの裏側には、その人自身の中にある感情が関係しているのかもしれません。
実はこうしたことは、特別な人にだけに起きるものではありません。
人から言われた何気ない一言が、いつまでも頭から離れない。
「大丈夫?」と言われただけなのに、なぜか気になってしまう。
人の「すみません」に腹が立つ
こうした経験は、反応の強さは様々ですが、決して珍しいものではありません。
同じ言葉を言われても、気にしない人もいれば、深く傷つく人もいます。同じ出来事なのに、なぜこんなに反応が違うのでしょうか。それは単純に性格が「気にしすぎ」や「短気だから」では片付けられません。
実は、人が他人の言動に強く反応するとき、そこには 心の仕組み が関係しています。その一つが、心理学でいう 投影 という働きです。

投影とは
投影とは、簡単に言うと
自分の中にある感情や不安を、相手の言葉や態度に重ねて感じてしまう心の働きです。
つまり、相手の言葉そのものよりも、その言葉によって 自分の内側が強く反応している状態 と言えます。
日常の例で考えてみましょう。
例①「大丈夫?」と言われただけなのに傷つく
例えば、仕事でこんな場面があったとします。資料を作っていたとき、上司がこう言いました。
「大丈夫?」
言葉だけを見ると、ただの確認や気遣いです。
しかし、その瞬間に心の中でこう感じる人もいます。
「できてないと思われた」
「心配されるほどダメに見えたのかな」
すると、急に不安や緊張が強くなります。でも実際には、上司は単に進み具合を確認しただけかもしれません。
このとき起きているのは、言葉そのものへの反応ではなく、言葉の意味づけへの反応です。そしてこの意味づけには、自分の不安や経験が影響しています。
例② 何も言われていないのに「嫌われた」と感じる
例えば、LINEを送ったあと、返信が少し遅かったとします。
すると
「もしかして嫌われた?」
「何か変なこと言ったかな」
と考えてしまうことがあります。
しかし実際には
忙しかっただけ
後で返信しようと思っていた
ということもよくあります。
この場合も、起きているのは相手の行動そのものより、自分の不安が刺激されている状態です。
こうした反応は、不安だけでなく、怒りやイライラとして現れることもあります。
例③ 人の態度に強くイライラする
投影は、不安だけでなく、強いイライラとして現れることもあります。
投影はよく「自分を映し出す鏡」と言われます。
例えばこんな場面です。
本当は自分も少し楽をしたい気持ちがあるのに、「きちんとやらなければ」と自分に厳しくして頑張っている人がいます。
そんなとき、
同僚が仕事中にスマホを見ていたり、明らかに楽をしている様子を見ると、
「なんでサボっているの?」
「やる気はないの?」
と、必要以上に強く腹が立つことがあります。
このとき反応しているのは相手の行動だけではなく、自分の中で抑えている気持ちです。
まるで鏡のように、自分の内側にあるものが相手の姿を通して見えてしまうことがあります。
ただし、ここで誤解しやすい点もあります。
投影は、「嫌いな人=自分と同じ性格」とよく言われますが、そういう単純な意味ではありません。
例えば、ルールを守らない人に腹が立つのはあなたがルールを大切にしているからかもしれません。
ズルをする人に怒りを感じるのは、誠実さを大事にしているからかもしれません。
つまり投影とは、自分の内側にある感情や価値観が刺激されて、反応が強くなっている状態です。

「言葉」ではなく「意味」に反応する
人が強く反応するとき、
多くの場合、きっかけは 言葉そのものではありません。
その言葉に対して、自分がどんな意味をつけた、どんな想像をしたかが大きく影響しています。
例えば、上司に
「それ、もう一度確認しておいて」
と言われたとき。
ある人は「ミスを防ぐためだな」と受け取ります。
別の人は「信用されていない」と感じます。
言葉は同じでも、反応が変わるのは、意味づけが違うからです。

その意味づけを作るのは過去の経験
意味づけには、過去の経験も関係しています。
例えば
否定されることが多かった
評価が厳しい環境だった
常に気を遣ってきた
こうした経験があると、心は無意識に警戒するようになります。
心理学では、これを 防衛反応 と呼びます。
過去に傷ついた経験があるほど、人の心は「同じ痛みを避けよう」と先回りします。
その結果、些細な言葉にも敏感に反応してしまうことがあります。

反応してしまうのは自然な心理
こうした反応があると、
「自分は気にしすぎだ」
「こう反応してしまう自分が悪い」
と思う人もいます。
しかし、これは誰にでも起こる心理。むしろ、心が自分を守ろうとしている働きとも言えます。
人の心には、一度傷ついた経験を「もう繰り返さないようにしよう」と学習する仕組みがあります。
そのため、似た状況になると警戒が強くなるのは自然なことです。
人の言葉に振り回されにくくなるために
人の言動に反応したとき、大切なのは、無理に「気にしないようにする」ということではありません。
まずは、少し立ち止まって何が起きているか考えてみることです。
「今、相手の言葉は何だったのだろう」
「私は今、何を言われたように感じたんだろう」
そして次に、「それは本当に相手の言葉そのものだったのか、それとも自分の解釈が入ったのか、他に解釈はないか」と問いかけてみます。
この視点が入るだけで、反応に飲み込まれにくくなるのと同時に視点を広げる練習になります。

まとめ·反応の正体を知ると人間関係は楽になる
私たちは、相手の言葉をそのまま受け取っているようで、実際にはそこに
自分の不安
自分の価値観
過去の経験
を重ねながら意味づけをしています。
このとき働いているのが、心理学でいう 投影 という心の仕組みです。
投影は誰にでも起こる自然なものです。
大切なのは、反応をなくすことではなく、「自分の中で何が起きているのか」に気づくことです。
それができるだけで、人の言葉に振り回される場面は少しずつ減っていきます。


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