先日、うちの息子が、「最近、時間が過ぎるのが本当に早い」と話してきました。
「小学生の頃は45分の授業中、時計ばかり見ていた時間がとても長かったのに…」と言うのです。
私は思わず、「その時間は、本当は時計を見る時間じゃなくて、先生の話を聞く時間だったんだけどね」とツッコミを入れましたが…(笑)。
とはいえ、子どもの頃は長く感じた45分が、大人になるとあっという間と感じている人は多いのではないでしょうか。
そして気づけば、
「もう6月?」
「今年も半分近く終わるの?」
と驚いている自分がいます。

なぜ私たちは年々、時間が経つのが早く感じるのでしょうか。
今日はそんな心理学のお話です。
心理学には「ジャネーの法則」という考え方があります。簡単に言うと、年齢を重ねるほど時間が短く感じられるというものです。
例えば、8歳の子どもにとっての1年は人生の8分の1です。しかし50歳の人にとっての1年は人生の50分の1。
同じ1年でも、その人が生きてきた時間全体から見ると占める割合が違います。だから子どもにとっての1年はとても長く感じられ、大人になるほど短く感じられると言われています。

息子が言っていた45分の授業も同じです。小学生の頃は時計ばかり見ていた45分が、大人になると会議や打ち合わせであっという間に過ぎていきます。もちろん実際の時間は変わっていません。変わったのは、時間を感じる私たちの感覚です。
ただ、時間の感じ方は年齢だけでは説明できません。もし年齢だけが理由なら、同じ50代でも毎年同じように時間が過ぎていくはずです。
でも実際は、「今年はいろいろあったな」と感じる年もあれば、「何をしていたか思い出せないくらい早かったな」と感じる年もあります。
その違いは何でしょうか。
それは、新しい経験や心が動く出来事があったかどうかです。
子どもの頃を思い出してみると、毎日が初めての連続でした。初めての先生初めての友達初めての遠足初めての習い事脳は新しい出来事に出会うと、多くの情報を処理しようとします。そのため記憶も濃く残りやすくなります。
一方で大人になると、同じ道を通り、同じ仕事をして、同じような毎日を過ごすことが増えていきます。脳は慣れたことを効率よく処理するため、特別な記憶として残しにくくなります。
すると振り返ったときに、「あっという間だった」と感じやすくなるのです。私たちはよく、「年を取ると時間が早いね」と言います。
確かにその通りなのでしょう。でも、本当に早くなったのは時間でしょうか。もしかすると、心が動く機会が減ったことの方が大きいのかもしれません。不思議なことに、楽しい時間や夢中になっている時間は、その瞬間はあっという間に過ぎていくように感じることがあります。
それは、その時間に強く集中しているため、時間そのものを意識しにくくなるからだと言われています。
一方で、時間の感じ方にはもう一つ別の側面があります。それは、「後から振り返ったときの感じ方」です。
人は新しい経験や印象的な出来事が多いほど、記憶に残る場面が増えます。
逆に、同じような毎日が続くと、振り返ったときに思い出せる出来事が少なくなり、「あっという間だった」と感じやすくなります。
つまり時間の感じ方には、
・その瞬間にどう感じるか
・後から振り返ってどう感じるか
という2つの側面があるのです。
驚いたこと
感動したこと
夢中になったこと
誰かと笑ったこと
そんな出来事が多い年は、振り返ったときにたくさんの場面が思い浮かびます。
反対に、毎日が同じように過ぎていくと、気づけば時間だけが流れていたように感じることがあります。
気づけばもう今年も半分が過ぎました。
もし、「今年も早かったな」と感じているなら、それは年齢のせいだけではないかもしれません。
少しだけいつもと違うことをしてみる。
会いたい人に会ってみる。
行ったことのない場所へ行ってみる。
興味があったことを始めてみる。
そんな小さな変化でも、時間の感じ方は変わることがあります。時間の流れそのものを止めることはできません。でも、心が動く時間を増やすことはできるのです。

気づけば時間は過ぎていきます。
忙しい毎日の中では、自分のことを考える時間は後回しになりがちです。だからこそ、ときには立ち止まり、自分が本当に大切にしたいものを見つめ直す時間も必要なのかもしれません。
それは、地に足のついた毎日や、自分らしい選択につながっていきます。もし今、ただ時間に流されるのではなく、自分が本当に大切にしたいものを見つめながら過ごしていきたいと感じたなら、カウンセリングという特別なあなただけの時間で、これから大切にしたいものを整理することができます。
その時間が、これからの過ごし方を少し軽くしてくれます。


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