「どうして、こんなに気分が変わるんだろう?」そんなふうに感じることはありませんか?
「もっと明るくならなきゃ」「こんな気分はよくない」と、知らず知らずのうちに自分を責めてしまうことがありますよね。
朝は、やる気に満ちていたのに、夕方には何となくモヤモヤしてしまう。こうした気分の変化は、私たちにとってごく自然なことです。

心理学の視点から見ると、感情の浮き沈みにはさまざまな要因が関わっています。今回は、そんな気分の波と上手に付き合うための方法の一つ、「気分に名前をつける」についてご紹介します。
気分の浮き沈みはなぜ起こる?
日々の中で、気分が上がったり下がったりするのはなぜでしょうか?
実は、気分の変化には生物学的・心理学的な要因が複雑に絡み合っています。
生物学的な要因
ホルモンバランスや睡眠の質が、私たちの感情に大きな影響を与えます。
例えば、ストレスホルモンであるコルチゾールが増えると、イライラしやすくなることがあります。
心理的な要因
日常の出来事や対人関係の中で感じるストレスや不安が、気分の変動を引き起こすことがあります。これらの変化は自然な現象であり、自分を守るための大切なサインとも言えます。ここで重要なのは、その波をどう受け止め、対処するかということです。

気分に名前をつける―ラベリング効果とは?
日々の中で、理由も分からず気分が沈んだりイライラしたりすることはありませんか?
そんなとき、まず試してほしいのが「気分に名前をつける」という方法です。
心理学ではこれを**「ラベリング効果」**と呼びます。感情や気分に名前をつけることで、その感情が整理され、気持ちが少し軽くなる効果があると言われています。
たとえば、なんとなくモヤモヤしているときに、「これは寂しい気持ちかもしれない」と表現してみると、不思議と心が落ち着くことがあります。

気分に名前をつける具体的な方法
ラベリング効果を活用するために、次の3つのステップを試してみてください。
1.感情を観察する
まずは、自分の感情に意識を向けてみましょう。深呼吸をして、「今の気持ちはどんな感じだろう?」と自分に問いかけてみます。
「何かモヤモヤしている」「心がザワザワする」理由を無理に考えなくても大丈夫です。浮かんできた感覚をそのまま受け止めることが大切です。
2.一言で表現してみる
次に、その気持ちを簡単な言葉で表現してみましょう。
例 「少し落ち着かない」「なんとなく焦りを感じる」「ちょっと不安かも」言葉にすることで、「今感じているのはこれなんだ」と受け入れる準備が整います。
3.気持ちをノートに書く
さらに、気持ちを紙に書き出してみると効果的です。
例 「今日は会議で発言できなかった自分を思い出して、少し悔しい気持ちになっている。」文字にすることで感情が客観視でき、内面の整理が進みます。
ラベリング効果を実感するためのポイント

ラベリング効果を実感するためのポイント
否定しないこと
「こんなことを感じる自分はダメだ」と思わず、そのままの感情を受け止めましょう。正確さを求めすぎないこと言葉が見つからなくても「なんとなく」でOKです。
繰り返し練習すること
ラベリングは繰り返すことでどんどん上達します。

気分に振り回されないために
気分の浮き沈みを「悪いこと」と捉えるのではなく、それを自分の一部として受け入れ、自然に過ごしましょう。
そのヒントを知ることで、毎日をもっと穏やかに過ごせるようになりますよ。

気分に名前をつけるだけで変わる世界

気分に名前をつけるというシンプルなアクションが、驚くほど心を軽くしてくれることがあります。日々のストレスを和らげ、心穏やかに過ごすための一助になるはずです。
気分の波を受け入れるもう2つのヒントや、日々の気持ちを軽くする具体的な方法について、YouTube動画でお話ししています。ぜひこちらもご覧ください!
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