あなたは落ち込んだとき、どうしていますか?
日常を過ごしていると、落ち込む出来事ってありますよね。
気分転換をしたり、好きなものを食べたり、誰かと話して気を紛らわせたり。少しでも早く元気になろうと、気持ちを切り替えようとすることもあるでしょう。
仕事や家事など、やらないといけないことが待っていると、いつまでも落ち込んでいるわけにはいきませんよね。
「もう気にしないようにしよう」
「いつまでも引きずっていてはいけない」
そのように、自分を奮い立たせることもあるかもしれません。
けれど、ふとした瞬間にまた落ち込んでしまう。何気ない言葉を思い出したり、一人になった途端に悲しさが込み上げたり。
「もう大丈夫だと思ったのに、どうしてまた落ち込んでしまうんだろう」
「終わったことをいつまでも考えていて、良くないな」
そんなふうに、思うこともあるかもしれません。
実は、気持ちを切り替えようとしても、心がすぐには追いつかないことがあります。こうしたことは、誰にでも起こりうる自然なことです。

頭ではわかっていても、心が追いつかない理由
たとえば、仕事で失敗してしまったとき。
「次は気をつけよう」と頭では理解していても、悔しさや自分を責める気持ちが残っていることがあります。
大切な人との関係がうまくいかなかったときも同じです。
「もう気にしない」と決めても、悲しさがすぐになくなるとは限りません。
頭で理解することと、心がその出来事を受け止めることは、必ずしも同じ速さでは進まないからです。
それなのに、落ち込んでいる自分にまで、
「こんなことで落ち込んではいけない」
「もっと前向きにならなければ」
と言い聞かせていたら、どうでしょう。
もともとのつらさに加えて、落ち込んでいる自分を責める苦しさまで重なってしまいます。
落ち込むのは、心が弱いからではありません。
考え続けるのは、切り替えが出来ない人だからでもありません。
それだけ心が何かを感じ、その出来事を受け止めようとしているのかもしれません。
だからこそ、気持ちを変えることだけでなく、今の自分が何を感じているのかに目を向けることも大切なのです。

心が求めているのは、感情を否定されないこと
落ち込んでいるとき、私たちはつい、気持ちをどうにかしようと考えます。
・どうすれば忘れられるだろう。
・どうすれば前向きになれるだろう。
・どうすれば、いつもの自分に戻れるだろう。
もちろん、気分転換をしたり、誰かに話を聞いてもらったりすることが助けになる場合もあります。
ただ、その前にできることがあります。
それは、今の気持ちを否定せずに自分が認めることです。
心理学では、自分の感情に気づき、良い悪いと決めつけずに受け止めることが大切だと考えられています。
悲しいときは、悲しい。
悔しいときは、悔しい。
理由がはっきりしなくても、なんだかつらい。
そんな自分の状態に気づくことです。
悲しいときに、「悲しんではいけない」と無理に気持ちを抑えようとすると、かえって苦しくなることがあります。
だからこそ、「今、悲しいんだな」と、自分の気持ちを認めてみる。
「こんな気持ちになってはいけない」と否定することに、余計なエネルギーを使わずに済みます。
そこから、心を落ち着かせるための時間が始まります。

落ち込んだとき、心の中でかけたい言葉
では、気持ちが沈んでしまったとき、具体的にどうすればいいのでしょうか。難しいことをする必要はありません。
「今はつらい時期(時間)なんだ。」
と自分に言ってあげましょう。
無理に理由を探したり解決策を考えなくて大丈夫です。
私たちは、誰かが落ち込んでいたら「大丈夫?」と声をかけることがあります。けれど、自分自身が落ち込んだときには、意外と厳しい言葉をかけてしまうものです。
「いつまで気にしてるんだろう?」
「もっとしっかりしなきゃ」
「こんな自分は嫌だ」
そんな言葉を、無意識のうちに自分に向けてはいないでしょうか。もしそうなら、ほんの少しだけ、声のかけ方を変えてみてもいいかもしれません。
自分の気持ちを認めることは、甘やかすことではありません。今の自分を理解するための、小さな一歩です。

感情には、安心して置いておける場所がある
落ち込んだとき、心が求めているもの。
それは、つらい気持ちをそのまま置いておける場所です。
悲しさを無理に追い出さず、悔しさを急いで忘れようとしない。
「今は、こんな気持ち」と認めるだけで、少なくとも、自分の感情と戦い続けなくてすむことがあります。
自分の本当の気持ちを受け入れようとしないとき、私たちは知らず知らずのうちに、自分の感情と戦っているのかもしれません。
気持ちは、行ったり来たりすることがあります。
少し楽になったと思ったら、また悲しくなる日もあります。そんな自分の気持ちも、無理に押し込めなくて大丈夫です。
ただし、落ち込みが長く続き、眠れない、食事がとれない、日常生活に支障が出るといった状態がある場合には、一人で抱え込まず、早めに信頼できる人や専門家に相談することも大切です。
自分の気持ちを受け入れることが難しいときは、誰かと一緒に気持ちを見つめてみるのもひとつの方法です。
カウンセリングでは、今抱えている気持ちを整理し、自分の心と向き合うお手伝いをしています。


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